空想は現実的でなくてもいい
人は、文字どおりには決して体験したくない状況を空想することがあります。見知らぬ人、強制、人前での露出、あり得ない身体、タブーとされる役柄、グループセックス、屈辱、極端な権力、あるいはすべてを委ねること。
想像の中では、その後に起こることを取り除けるからこそ、心がその発想を楽しめることがあります。だからといって、空想がひそかな依頼になるわけではありません。
「はい・いいえ」ではなく、段階で考える
性的なアイデアへの気持ちには、いくつかの段階があります。
- 空想だけ:想像すると興奮するけれど、現実には望んでいない。
- 興味がある:もう少し知ってみたい。
- 条件によっては:範囲を限定すれば、魅力を感じるかもしれない。
- 試してみたい:実際に試す計画を立てる気持ちがある。
- すでに確かな欲求:快感や意味があると、経験からわかっている。
空想を打ち明けたというだけで、その人が一段先へ進んだと決めつけてはいけません。
空想のどの部分が心を動かしているのかを尋ねる
グループセックスの空想は、実は多くの人から求められたい気持ちかもしれません。誘拐される空想は、自分から誘わなくていいことに惹かれているのかもしれません。女性化の空想は、ジェンダーではなく、委ねることが中心かもしれません。人前でセックスをする空想は、実際の見知らぬ人ではなく、危うさに惹かれているのかもしれません。
何が性的な魅力を生んでいるのかがわかると、より安全で、現実にも合う形を見つけられることがよくあります。
空想を要素に分ける
たとえば「集団に使われる」という空想を考えてみましょう。複数の人、拘束、物として扱われること、見られること、選択権を手放すこと、挿入、屈辱などの要素が含まれるかもしれません。そのうち二つは望んでいても、ほかは望んでいないことがあります。
実現しようとする前に、そのイメージを分解してみてください。
意味を保てる、いちばん小さな試みから始める
拘束に興味があるなら、全身を動けなくするのではなく、手首を簡単に拘束するところから。人前での露出を空想しているなら、見知らぬ人を巻き込む危険を冒すのではなく、参加者の同意があるイベントで、限られた相手に見てもらうところから。CNCを空想しているなら、明確なロールプレイと、現実の行為を確実に止められる仕組みから始めます。
よい最初の試みは、空想の核にある感覚が、本当に自分を惹きつけるのかを教えてくれます。
試している間の興奮を、ずっと続く同意とみなさない
とても興奮したとしても、あとになって「これはもう繰り返したくない」と思うことがあります。反対に、欲求が本物でも、初めての試みはぎこちなくなることがあります。
神経系が落ち着いてから、体験を振り返りましょう。
現実を経験すると、空想は変わることがある
実際に体験することで、身体が新しい快感を知り、空想がいっそう魅力的になることがあります。反対に、現実の段取りが想像ほど美しくはなくて、空想の魔法が薄れることもあります。
どちらも失敗ではありません。
パートナーの空想を実現する義務はない
打ち明けることを、交渉の道具にしてはいけません。「話したんだから、せめて試してくれてもいいでしょう」と迫ることではないのです。パートナーは、その空想を興味深く受け止め、話し合ったうえで、それでも参加を断ることができます。
望むことが合わなければ、残念に思うかもしれません。それでも、どちらかの欲求が間違っているわけではありません。
空想だけで、その人のあり方は決まらない
一つの空想が、性的指向、ジェンダーアイデンティティ、支配する傾向、服従する傾向、あるいは病理を証明するわけではありません。時間をかけて見えてくる傾向は手がかりになりますが、人には、すぐに自分を何者かと定義せずに、好奇心を持てる余地が必要です。
空想を、会話を開く手がかりにする
その空想が感情の面で何を与えてくれるのかを尋ねてみましょう。委ねること、力、新しさ、称賛、タブー、安心、危険、匿名性、親密さ、屈辱、満ち足りる感覚。そこから、さまざまな形で満たせるニーズが見えてくることがあります。
やめる道と、振り返る時点を用意して試す
新しいことを試す前に、途中でやめても何が得られればよい試みだったと言えるのかを決めておきましょう。拘束具を着けるのは五分だけかもしれません。プレイをせずにクラブを訪れるだけかもしれません。挿入をせず、CNCシーンの導入だけを演じるのかもしれません。意識的に立ち止まり、現実の体験が想像と合っているかを確かめる時点を決めてください。
最初の一歩が、空想の残りをすべて実行する契約のように感じられないとき、好奇心はのびのびと育ちます。
わかったことを書き留める
試したあとには、何に興奮し、何がぎこちなく、何が思いがけず感情を動かし、何が身体的に不快だったのかを記録しましょう。記憶は複雑なシーンを「よかった」「悪かった」にまとめてしまいがちです。具体的なメモがあれば、次の選択をよりよく考えられます。
ふたりで話してみる
想像の中だけにとどめたい空想はどれでしょう。興味はあっても、まだ迷っているものはどれでしょう。どの要素がいちばん興奮を呼びますか。その要素を確かめるために、現実でできる最小の試みは何でしょう。想像は、どんな結果を都合よく取り除いていますか。そして、どちらも「実行してほしいという依頼だ」と決めつけずに、空想を分かち合えますか。